10月5日の読書録
『花芯』(瀬戸内寂聴)より「ざくろ」
もう、一文目が最高!
「こんな男のこどもなど、生めるものではないと私はそっと、亮吉の背をぬすみみるのでした。」
メルマガ予備校生にも、小説の書き出しには徹底的にこだわってほしいと思っていて、本当に素晴らしい一文目は、たったそれだけでその小説を凝縮して表していることがある。
ふと、自分の小説を書き出しを思いついたら、それをツイートして、読者の反応を見てみるのもいいかも、なんて思った。
本当におもしろいものと、イマイチのものとでは、反応が如実に変わってくるはず。
『魚舟・獣舟』(上田早夕里)より「魚舟・獣舟」
魚舟とか獣舟とか、設定を理解するのが少し大変だけど、余りある感動がラストにある。
数年ぶりにあった友人が獣舟を海に戻そうとするが、逆に殺されてしまう「主人公のどん底場面」。
そうなってほしくないと思いながら読んでいたけど、やっぱりそうなってしまうのね…。
でも、作品としてはこの展開以外考えられない。