今回のキーワードは「プロフィールは【橋】になる」というもの。
イラストレーターに限らず、自分のプロフィール作りに力を入れていない新人クリエイターの方は、ぜひ読んでみてください。
ちゃんとプロフィール文を作っていますか?
さて。
とくにイラストレーターの方は自分の作品集、いわゆるポートフォリオをお持ちだと思います。
そこに自己紹介、プロフィールを入れていますか?
入れている人も、きちんと目的をもって自己紹介文を作っていますか?
プロフィール作りに力を入れている人は、きっと少ないはず。
ぼくは新卒から17年間、出版社につとめて本の編集者をしていました。
どこの出版社も同じなんですが、ぼくの務め先にも新人イラストレーターやデザイナーから、ポートフォリオがよく届いたもの。
いわゆる「売り込み」です。
それ自体は悪いことではありませんし、そうやって積極的に売り込みをしたほうがいいと個人的には思っています。
そうやって送られてくるポートフォリオを見ると、
「ちょっと……コレは……」
という作品もたまにはあるものの、多くの作品はかなりクオリティが高い。
作者は美大出のイラストレーターだったり、デザイン事務所で働いていたり、ある程度の勉強と経験をしている人もけっこういました
はっきりいって、本の挿絵なら頼んでもかまわないレベルだといえる人が少なくありません。
でも、「よし! 次の本はこの人に挿絵をお願いしよう!」とはほぼなりませんでした。
なぜでしょうか。
プロフィールが仕事を頼む理由になる
それは、「みんな同じくらいのクオリティだから」です。
どれも突出していなくて、差がないんです。
いいかえると、「●●さんにお願いしないとならない理由」が見つからないんです。
とはいえ、それでもポートフォリオを送ってもらったことが縁で、何人かには本のイラストを依頼しました。
それでは、依頼した人としなかった人で、いったい何が違ったのでしょうか。
いくつかありましたが、その中の1つが「プロフィール文」でした。
たとえば、仕事を頼んだ人のプロフィールに何が書かれていたのかというと、
「こんな想いで描いています」
「こんな体験から、こんな気づきを得て、それをデザインに込めています」
などなど。
そのクリエイターがどんな人かが見えてきて、伝わってくるようなことが書かれていたんです。
ぼくはそれを読んで、「この人に頼もう!」と思えたんです。もちろん、本の方向性やテーマの関係もあるので、それらに適しているかも考慮しましたが。
しかも、そうやって選んだ人だと、実際に発注するときも、
「ぼくがなぜ、あなたに書いてほしいのか」
「なぜ大勢いるイラストレーターの中から、あなたを選んだのか」
も伝えやすいんです。
プロフィールは「橋」になる
「え? そんなこと関係あるの?」
という人もいるでしょうが、あなたに仕事依頼が舞い込んできたとして、ちょっと考えてみてください。
・ただ単に「月末までに、こんな絵を描いてください。ギャラは●万円です」と依頼される
・「なぜあなたに依頼をしたのか」を細かく伝えてもらいながら依頼される
この両者では、どちらがモチベーションが上がりそうでしょうか?
当然、後者ですよね。
「あなたがイラストに込めている想いと、この本のテーマが深く関係していると思いました。この本のイラストはあなたにしか描けません。よろしくお願いします」
こんなふうに言われたら、やる気も上がるし、いいイラストを描こうと思いますよね。
ようするに、プロフィールは、あなたと相手(ファンや仕事の発注者など)とをつなぐ「橋」のような存在だということ。
これは仕事依頼に限らず、あなたとファン予備軍の場合も同様。
やっぱりプロフィールが「橋」になってくれるんです。
ぼくは、「新人クリエイターのうちから、創作活動だけでなく、プロフィール作りも力を入れたほうがいい」と考えています。
プロフィール文をしっかりと作りこむと、あなたに大きなメリットがあるということが、少しは感じていただけたでしょうか。
もちろん、ただ熱い想いを書けばいいというわけではありません。
どんなプロフィールが効果的なのか、などは、近日中に「クリエイターのためのプロフィール作り 5ステップ」を、ライン公式アカウントで配布予定です。
興味がある人は、こちらからご登録くださいませ。
ということで今回は、「プロフィールは橋になる」をキーワードに、プロフィールの大切さについてご説明しました。
んじゃまた!