今回は、いただいたこちらの質問にお答えいたします。
物語を書き始める前にプロットを書くと思いますが、基本的に最後まで書き上げるのが正しい方向なのでしょうか。
物語を書き進めながら話の矛盾などがないように、先へ進むための道しるべとしてプロットがあると聞きました。
しかし「よし、プロットを作るぞ」と意気込んでプロットを作り終えた時。何だか物語を書き始めようとする気持ちが薄れてしまいます。
気持ちは薄れてしまい、結果、物語を書き始めることはなく今度は違う物語に気分が乗ってしまいました。
そこで質問の本題なのですが、必ずしもプロットは最後まで書き上げなければならないものなのでしょうか。
途中まで書いて、ある程度見切りをつけた上で物語を書き始めてしまってもよいのでしょうか。
まだ物語に対する〝熱〟があるうちに書き始めたほうがいいのではないかと思っています。
この辺のところをどのようにしているのか教えて頂きたく思います。
どうぞお願い致します。
ありがとうございます。
プロットを完成させると、原稿を書き始めるモチベーションが下がってしまうから、プロットが完成していなくても、なんとなく物語が見えてきた段階で書き始めたいということですね。
▼▼小説の書き方に、正解なんてない
1つ、大事なことだと思うので、質問にお答えする前に書いておきますね。それは、「小説の書き方に、正解はない」ということ。質問者さんの文面を読んでいると、「プロットを先に完成させることが正解」だとお考えのようなので、念のため。
たしかに、私は「プロットは先に完成させましょう」と繰り返しお伝えしています。ですが、私のやり方が唯一無二の正解で、これ以外の小説の書き方はすべて間違っているとは、少しも考えていません。それは、このサイトに書いていることも、有料メルマガの内容も含めて、です。私のやり方や考え方が合うと思う人には参考にしていただきたいし、そんな人たちには、私のお伝えする情報はかなり参考になると自信を持っています。
そういった「小説の書き方に正解はない」という前提を踏まえて、質問にお答えしますね。「小説を書きたい!」という熱が冷めてしまうなら、プロットを完成させずに書き始めましょう。それで最後まで書き切れるなら、そのやり方が質問者さんには合っているということなので、そうやって書いていくのがいいと思います。
もちろん私は、プロットを完成させてから原稿を書き始めるのが一番効率がいいし、そのほうが最後まで書きやすいと思っています。ですが、効率がすべてではありません。それに、そもそも小説を書きたいという熱がなくなってしまったら、最後まで書けなくなってしまうでしょう。
それでは本末転倒です。なので、質問者さんが考えているように、熱が冷める前に原稿を書き始めて、最後まで書き切ってください。
▼▼途中で筆が止まってしまったら
ただし、質問者さんと同じように、プロットを途中まで書いて、一通りのストーリーが頭の中で決まった段階で原稿を書き始める人を、私はたくさん見てきました。そういった人たちがみんなうまく書けたかというと、そんなことはありません。
残念ながら、ほとんどの人は以下の2種類のパターンのどちらかにおちいってしまいました。
1つめは、途中で筆が止まってしまう人。
いざ原稿を書き始めたら、事前にプロットに書いた部分まではうまく書けるのです。けれど、それを越えたあたりから、急に筆が進まなくなってしまうのです。プロットは未完成とはいえ、頭の中では、すでにストーリーができあがっているにもかかわらず。こういった人、かなり多くいました。
このように途中で筆が止まってしまう人へのアドバイスは、筆が止まったらプロット作りに戻り、ある程度先までプロットを作ったらまた原稿を書き、また筆が止まったらプロット作りに戻り……というように、サンドイッチ形式で、原稿とプロットを行ったり来たりするのがいいでしょう。きっと熱も冷めないはずです。
そもそも、プロットの役割とは、著者の頭の中だけにある物語のおぼろげなイメージを、文字によって具体化させることでもあります。そうすることで、本当にしっかりストーリーができているのか、それとも実は最初と最後しか決まっていないのか、などが確認できるのです。
実は、頭の中だけで描いているストーリーというのは、ものすごくあいまいなもの。著者自身も、正確には把握できていません。この点、私たちは自分の想像力を過信してしまっているのかもしれませんね。
それをプロットにして言語化することによって、本当はストーリーのどの部分があいまいなのか、などが見えるというわけです。あいまいな箇所が見えされすれば、その部分のストーリーをしっかりと具体的に考えることもできるでしょう。
▼▼最後まで書いたけれど・・・
2つめは、途中で止まることなく、最後まで書き終えられる人。
一見うまくいってそうなのですが、読み返してみると、伏線が回収されていなかったり、矛盾が多かったり、意味のない場面や、唐突に出現するキャラクターがいたりします。このタイプの人は、プロットを先に完成させた人に比べて、改稿作業がとにかく大変になる傾向があります。場合によっては、ほとんど丸ごと書き直すことさえも。
こういった人へ、アドバイスといえるのかわかりませんが、どんな小説も改稿作業は必要です。あの売れっ子作家でも、改稿なしで出版されるなんて、ほぼありません。
それに、最後まで書けたということは、それだけでプロ作家への第一歩を踏み出したようなものです。最後まで書けずに放り出してしまう人が、いかに多いことか。
なので、これから先に大変な改稿作業が待っているかもしれませんが、小説執筆の最も大きなハードルといえる「最後まで書く」というのを乗り越えたのですから、改稿も乗り越えられるはず。
▼▼法則を使ったプロット作り
さて。
プロットの書き方に関して、私は「おもしろい小説の法則」というのを提唱しています。
古今東西のおもしろい小説の多くが、その法則にあてはまっています。それぞれの小説の作者が、意識しているのか、それとも無意識なのかはわかりませんが、その法則を踏襲した主人公、キャラクター、ストーリー展開となっているのです。ちなみに私は、「おもしろい小説」=「ラストまで没頭して読める小説」だと考えています。
【おもしろい小説の法則】
① 主人公は3要素を背負っている
② 3種類のキャラクターが出てくる
③ ストーリーに15の場面が欠かさず入っている
もしも、
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