今回は、サイトに寄せられた質問にお答えいたします。
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長編小説は好きですし、よく読みます。
読んでいると「浸れる」感があってとても楽しいです。
また、長編小説を書いてみる事にチャレンジしています。しかし、短編小説が嫌いです。
読むのも嫌いだし、読んでも楽しいと思えません。
(芥川龍之介のような名著であれ、ネット小説であれ、読み終わるとモヤモヤします)
ちょっとだけ作者様の創る世界を垣間見た……と思ったら、直ぐに終わってしまうので、いつもツマラナイ気持ちになります。
「だから何だ?」とか「続きを書け!」とか「そこで終わりかよ!?」と思ってしまいます。短編でも連続短編小説で(夢枕獏先生の陰陽師みたいな)続いている話はそう思わないのですが、仮に、陰陽師も1本だけしか読めないとなると、やはり、もやっとします。
小説家を目指すなら短編小説を書け、と言われるのも少し腑に落ちません。
何故ならば、自分にとって短編小説は魅力が無いからです。
どんなに面白いと言われるモノでも「浸れる」時間が短すぎて終わってしまった時に嫌な・切ない・物足りない・時間を無駄にした、気分になります。また、「好きこそものの上手なれ」で、好きなモノの方が上達が早い、とか
好きだと思うものを作ってみて楽しいのが一番いい、とか
そんな事も耳にします。となりますと、長編小説は好きだけど、短編小説は嫌いな場合、どうしたら良いと思いますか?
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▼▼なぜ「短編を書こう」というアドバイスになるのか?
ありがとうございます。
質問者さんも書かれていますが、「小説を書きたいなら、まずは短編から書きましょう」というアドバイスを、私もよく目にします。
このアドバイスが意味しているのは、
「短編小説を書けない人は、小説家になれない」
とか、
「まずは長編を書かずに短編を書きなさい」
というようなことではありません。
まず、大前提として、小説家になりたいなら、小説を完成させなければなりませんよね。
途中までしか書けていない作品を文芸賞に応募したり、出版することはできないからです
なので、小説家になりたい人は、自作を最後の最後まで書き切る習慣をつける必要があります。
その習慣は、長編よりも、短編のほうがつけやすい。
なぜなら、書く文章量が少ないから。
これが、「小説家になりたいなら、短編から書きましょう」というアドバイスの、本当の意味です。
決して、短編を書かないと小説家になれないわけではなく、単純に短編のほうが作品を完成させやすいということなのです。
▼▼どんな作品でも、未完成はNG
長編小説を書いていて、多くの人が困ることはなんだと思いますか?
答えは、「最後まで書けないこと」です。
ハッキリいってしまいますが、最後まで完成させていない未完成作品を何作書いたって、小説家にはなれません。スキルもアップしません。
それより、たった1作でも最後まで完成させるほうが、小説執筆力は格段にアップしますし、もちろん小説家へもググッと近づきます。
最後まで書かないこと、完成させないことが、一番ダメなのです。
そういう意味で、短編小説のほうが最後まで書きやすいですよね。
短編と長編は、陸上競技でいえば、100メートル走とフルマラソンにたとえることができます。
100メートル走を途中でリタイアする人はいませんが、フルマラソンはなかなか完走できません。
それと同じで、短編は比較的簡単に最後まで書けるので、「私にも小説を書けるんだ!」という自信をつけやすいのです。
(誤解しないでほしいのは、あくまで「最後まで書ける」かどうかを話しています。作品のクオリティについては、ここでは問題にしていません)
ですので、最後まで書く達成感を味わったり、完成させる習慣を身に着けるためには、短編から始めるのは悪くないと思います。
▼▼短編小説は、100メートル走
ただし、先ほども書きましたが、短編小説と長編小説は、短距離と長距離のようなものであって、どちらが優れているとか劣っているとかはありません。
まったく別の競技なのです。それぞれに違った魅力があるのです。
そして、質問者さんの回答に戻りますが、長編が好きなら長編を書くのがいいと思います。
嫌いなことをやるよりも、好きなことをやるほうが、上達しやすいですし、書いていてつまらないことをやっていても、続かなくなってしまいますので。
そして、私がこのサイトや有料メルマガで教えているのは、短編ではなく、連作短編や中編、長編小説の書き方です。
繰り返しになりますが、長編小説の一番の敵は、途中までしか書けずに、筆が止まってしまうこと。
小説を書こうと思ったとき、ストーリーの最初と最後は決まっていることが多いのですが、それだけでは小説を書き切ることはできません。
そこに至るプロセスが大切なのです。
そして、最後まで書き切るハードルを下げるために私が提唱しているのが、
「原稿を書き始めるまえにプロットを作ること。その際、15の場面を取り入れること」
というわけなのです。
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いつも最後まで書き上げられなかったのに、しっかりしたストーリーで最後の「終」まで書き切ったあなたを。
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