ある歌手に小説を書いてもらおうとした話

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この人に小説を書いてほしい

 

ぼくが出版社につとめて小説の編集者をやっていたころの話です。

 

たまたまラジオから流れてきた曲がきっかけで、ある女性シンガーソングライターのファンになりました。

 

リリースしたCDはもちろん発売日に買ってヘビロテ。ライブにもしばしば足を運んでいました。

 

「この人に小説を書いてほしい!」

 

いつからか編集者として思うようになり、事務所のマネージャーに企画書を見せて打ち合わせをするなどして、本人とも会って話ができるようになったのです。

 

「会いたい人に会える」これは編集者の特権でしょう。

 

その後、ライブ後の打ち上げに参加できるようになったり、たまにメールのやりとりをしたり、歌詞についての相談を受けたりするようになりました。

 

とはいえ彼女は、小説を書くことや出版についてはあまり前向きではありません。

 

ぼくはますます、

 

「絶対に小説を書いてもらうためにも、もっと彼女を刺激する言葉を伝えなければ!

 

と思うようになりました。

 

新曲が出るたびに感想を伝え、ライブに行ったら詳細なメモを取って、良かったところを伝える。

 

そんなことを愚直に実行していました。

 

 

身ゼニを切らない不幸

 

それが理由なのか、仕事関係の人はそうなのかはわかりませんが、ある時から、リリースされるCDをいただいたり、ライブにも招待枠で席を用意していただいたりするようになります。

 

結果、彼女のCDやチケットに対してお金を使うことがなくなったのです。

 

まだ20代で給料も少なかったですし、当然すべて自腹だったので、最初のうちはラッキーと思っていました。

 

でも、そんな状態が1年くらい続いたころでしょうか。

 

ふと気づいたことがありました。

 

「アレ? 彼女の曲を全然聴きこまなくなったし、ライブに行くのも以前ほど楽しみじゃない。ぼくは彼女のこと、昔ほどファンじゃなくなったんじゃないか?」と。

 

なぜなのかを考えてみたのですが、曲がダメになったとか、ライブがつまらなくなったとかではありません。

 

自分でお金を払わなくなったことで、「ここから何かを得られなくても別にいいや」と考えるようになってしまったのではないか。

 

身ゼニを切らないため、緊張感や切迫感が以前ほどなくなっていないか。

 

そう思い、CDをいただいても、同じCDを購入し、ライブチケットを用意していただいても、自分でチケットを購入するようにしました。

 

すると、以前のようにCDを聴きこむようになり、ライブも何週間も前から楽しみになり、また以前のように彼女を刺激する言葉を伝えようと努力するようになったのです。

 

その後彼女とは、どうなったか。本は出たのか。

 

もう少しで出版できるというところまではこぎつけたのですが、ぼくがいた出版社の都合で話は立ち消え、ぼくは出版社をやめ、彼女は別の出版社から本を出し、ぼくはその本を書店で見つけ、ちょっと泣いたという……。

 

 

無料だと手に入らないもの

 

 

さて!

 

少し想像してほしいのですが、タダでもらったペットボトルの緑茶と、自分で買った100グラム1万円の茶葉から出した緑茶

 

両者を同じように飲みますか?

 

前者よりも後者のほうを、徹底的に味わいつくそうと思うのではないでしょうか?

 

間違っても、両者を同じように味わわずにゴクゴクと飲んだりはしないはずです。

 

つまり、自分のお金を出すことによって「もったいないから、絶対に元をとってやる!」という想いが芽生えるんです。

 

これを利用しない手はありません。

 

何がいいたいのかというと、

 

「本気で勉強したい!」

 

「ここから何かを得たい!」

 

「絶対にスキルを身につけたい!

 

という熱い気持ちがあるなら、絶対に自腹を切りましょう、ということです。

 

ぼくのように、

 

タダでもらえる! ラッキー!

 

などと思っていると、いつしか「まあ、タダなんだし、別にいいや」と緊張感がなくなり、痛い目をみてしまいます。

 

「タダより高いものはない」なんていいますが、タダだと手に入らないものもあるんです。

 

「わたしはてて160なんかと違ってモチベーションが高いから、無料のものからだって勉強できるし、大丈夫だよ」

 

という人もきっといるでしょう。

 

そういう人には、

 

「ぼくもモチベーションは高かったのに、気づけばああなっていたんだよ! それに、身ゼニを切ることでより一層、身につくことがあるよ」

 

と言わせてください。

 

ということで今回は、本気で勉強したいなら、自分のお金を払ったほうが何倍も身につくよ、いいという話をさせていただきました。

 

もし、みなさんがそれぞれの分野でスキルを本気で身につけたいと思っているなら、無料動画だけでなく、有料のもの(本でもスクールでも)を取り入れることも検討してみてください!

 

 

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