今回のキーワードは「お金のための創作？ 創作のためのお金？」です。
これからプロとして活動したい新人クリエイターも、副業としてお金を稼ぎたい人も、ぜひ知ってほしいことを書きました。
創作の中にビジネスを含めよう
さて。
ある程度の期間、作品をつくり続けている人のうち、ある一定数の人は、
「うーん、なんだか最初のころと比べて、つくっていてもイマイチ楽しくないんだよな……」
というふうに感じ始めてしまうもの。
つくり初めのころは、イラストや小説、マンガを描いたり、音楽や動画を作ったりしていることが、とにかく楽しくて、あっという間に時間が過ぎていたはず。
それなのに、いつのころからか、作業スペースに向かうのがおっくうになったり、イヤイヤ書くようになったり、アイデアを考えるのが苦痛になったりしてしまうんですね。
あの頃は楽しかったのに……もうやめたほうがいいのかな
つまらなくなったということは、向いていないってことなのかも……
まさに今、こんなふうに悩んでいる人もいるかもしれません。
そんな人に伝えたいのが、「創作の中にビジネスを含めましょう」ということ。
これだけだとちょっとわかりづらいと思いますが、ここからくわしく説明しますので、最後まで読み進めていただければうれしいです。
創作の目的はなんですか？
ここから、『クリエイター１年目のビジネススキル図鑑』（山田邦明 KADOKAWA）という本に書かれていることを引用しますね。
＜意外にも、創作を楽しめているかどうかは、社会的に成功しているかどうかとは関係ありませんでした。だれもが知っている有名なクリエイターでもつくることに苦しんでいたり、だれにも知られていないけれどコツコツとずーっと創作を楽しみながら続けているクリエイターもいました。
1000人以上のクリエイターと対話を繰り返す中で、心から創作を楽しんでいる人の共通点がわかりました。それは、自分自身の「創作」に「ビジネス」も含めることができていること、でした。＞
この本の著者の山田さんは、弁護士としてもクリエイターパートナー事業を展開する会社の代表としても、多くのクリエイターと関わっている人です。
そんな彼がこの本で言っているのが、「創作にビジネスを含めると、創作を楽しみながら続けられる。その反対に、ビジネスに創作を含めると、創作が苦しくなる」ということ。
ここでいう「ビジネス」とは、「お金を稼ぐことや成功すること」だと考えてみてください。
つまり、「お金を儲けるために創作をすることや、成功して有名になるためにクリエイターを目指すと、楽しくて始めたはずの創作が楽しめなくなるので、やめたほうがいいですよ」ということなんです。
成功を目的に創作するのがNGな３つの理由
クリエイターになって、あの有名人みたいに大儲けしたっていいんじゃないの？ それを目指すのの何がダメなの？
と思った人もいると思います。
けれど、「お金儲け」「成功」といった「ビジネス」が目的になると、結局うまくいかなくなるんです。
そこには理由が３つあるので、ここから説明しますね。
１つめは、ここまで説明したように、「創作が楽しくなくなってしまう」という点。
きっと最初はみんな、だれかがつくったものを楽しんでいただけのはず。
それがいつしか「自分も作りたい！」と思い、創作を始め、次第にその楽しさに目覚め、今に至っていると思います。
その楽しさがなくなってしまうんです。
それだけでも充分、マイナスなことではないでしょうか。
２つめは、「創作が続かなくなってしまう」という点です。
これまでは、創作が楽しかったから続けられたんです。
でも、楽しくないこと、苦痛ばかりのことをずっと続けることができるほど、私たちは強くありません。
「あ～あ、なんかつまらないし、やる気も出ないから、今日は小説を書かなくたっていいや」
というように、楽しさがなくなると、すぐに創作活動を続けられなくなってしまうんです。
３つめは、「結局、お金儲けもできず、成功もしない」という点。
目的としていた「お金儲け」「成功」というのは、創作を続けていなければ達成できませんよね。
それなのに、目的を「お金儲け」といったビジネスにしてしまったがために、その目的が達成できなくなってしまうんです。
本末転倒とはこのことでしょう。
以上の３つの理由を簡単に解説しました。
これからプロとして活動したい新人クリエイターも、副業としてお金を稼ぎたい人も、ビジネスを目的にするのではなく、創作を目的にしながら、創作にビジネスを含めていくことをオススメいたします。
ということで今回は、「お金のための創作？ 創作のためのお金？」というキーワードでお話しをさせていただきました。
参考にしてみていただければうれしいです。
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