今回のキーワードは、「他人は比べるものではない。いいとこどりをするものだ」です。
ほとんど結論をいってしまっているんですが、続きも読んでみてください。
さて。
創作をしていると、自分と同じ分野で創作をしている人のことが気になるものです。
ただ、気になる程度ならいいんですが、自分の作品と比べ始めると、あまりいいことはありません。
その先にあるのは、「落ち込む」か「嫉妬する」か「批判する」かの3パターンが主です。
どれも良いことナシです。
あの人に比べて、自分の作品なんて鼻くそだな
と落ち込むと、モチベーションが一気に下がってしまいますし、メンタルにも良くない。
また、
くそ~、なんであいつには才能があって、俺にはないんだ
と嫉妬しても、やっぱりメンタルに良くありません。
しかも、その嫉妬が悪い方向に向かうと、
でもあいつの作品は、しょせんはあの名作のパクリだろ!
などと批判さえしてしまうんです。
この批判には、なんの意味もありません。
たとえば相手の作品が90点で、批判した人の作品が60点だとしましょう。
批判したことで相手の作品が50点に下がり、結果的に10点上回ったとしても、批判した人の点数は60点のままなんです。
何も変わっていない。一瞬、その人の気が紛れるだけです。
クリエイターは、そんなことに時間とエネルギーを無駄遣いするのではなく、自分の作品の点数を高めるためにつかうべきなんです。
他人の作品を見たときに、比べて落ち込んだりするのではなく、その作品のいいところを見つけて、それを自分の作品に取り入れるようにしてください。
そうすれば、自分の作品が今以上に良くなりますし、メンタルにもいい効果があります。
アニメーターとして映画「ドラえもん」や「エヴァンゲリヲン」に参加して、今はアニメーター養成の通信教育「アニメ私塾」を運営している室井康雄さんは、著作に以下のように記しています。
僕は新人アニメーター時代に自分よりもうまい仲間に散々絵を見せ、改善点を聞き、描き方を教わりましたが、恥ずかしいとは全く思いませんでした。
相手に優れている点があればそれを素直に認め、少しでも吸収出来たらいいなと考えていました。
描けないことを放っておき、優れた他人を見て見ぬふりをすることのほうが、よっぽど恥ずかしいことです。
『アニメ私塾流 最高の絵と人生の描き方』(室井康雄 X-Knowledge)より
他人と比べて嫉妬や批判をするのではなく、ただただ相手のいいところを素直に認めて、そのいいとこをどんどん吸収していったことによって、室井さんはプロのクリエイターとして活躍をしているといえます。
もしみなさんが、だれかの作品と自分の作品を比べて落ち込んだり、嫉妬してしまっていることを自覚したら、まずはどの部分に嫉妬しているのかを考えてみましょう。
その部分こそ、あなたが吸収すべきいいところなんです。
どうすれば自分のモノにできるのかを考え、実行してみてください。
それを何度も何度も繰り返すことで、気が付けば落ち込んだり、嫉妬したりすることもなくなり、ただただ素直に、他人のいいとこどりをできるようになるはずです。
ということで今回は「他人は比べるものではない。いいとこどりをするものだ」をキーワードにお話ししました。
「他人のいいとこどりをすることの大切さ」を知っていただけたらうれしいです。
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