今回は「作品づくりは、完成しても終わらない」というテーマです。
これから活躍したいクリエイターが読むと、今後の創作活動の参考になるはず。
ぜひ読んでみてください。
作品を届けるのは誰の仕事?
出版社で小説の編集者をやっていたころ、とある作家さんと飲みにいきました。もう10年くらい前です。
彼は何冊も小説を出していて、ちょうどその当時、文庫が3万部超えのスマッシュヒットになっていました。
ぼくは彼の小説を読み、「うちで小説を書いてほしい!」と思い、その想いを手紙に書いて送ったところ、「一度、飲みに行って話をしましょう」と返事が来て、飲みに行ったわけです。
なんやかんや話をして、ぼくがいた出版社のために原稿を書くと言ってくださった後、こんな一言をもらいました。
「よし! オレは最高の作品を書くから、キミたちの出版社は最大限の売る努力をして、読者に届けてくれ!」
この言葉は、当時のぼくにとっては何の違和感もありませんでした。
「もちろんです! 任せてください!」
なんてその時は返した気がします。
でも、今同じことを言われたら、ぼくの返事は変わってきます。
今ならきっと、
「もちろんぼくらは最大限の努力をします! なのでAさんもぼくらと一緒に、読者に届ける努力をしましょう!」
とでも言うでしょう。
届けるまでが作品づくり
10年くらい前は多くの場合、小説家の仕事は書くこと、出版社の仕事は届けること、というようにしっかりと分担されていました。
でも、今は違います。
小説家も「売る努力」「届ける努力」をしなければならなくなったのです。
そしてこれは、小説家や本に限りません。
あらゆるクリエイターが、作品をつくるだけでなく、それを届ける努力もしなければならなくなったといえます。
つまり、届けるまでが作品づくりになったんです!
出版社は届ける努力をしないの?
このようにいうと、
「出版社が届ける努力をしなくなったってこと?」
と思ったかもしれません。
その面もまったくないとはいえません。
出版したら、本屋には並べられるけれど、それ以上のプロモーションとなると、なかなか厳しい場合もあるんです。
しかも、編集者一人あたりの担当点数は、過去と比べて増えているといえます。
当然、編集者の負担も大きくなり、プロモーションまで考えが及ばない人も、残念ながら少なくないでしょう。
ですので、作家側の気持ちになると、
「おいおい、出版社の事情をいくらいわれても、こっちだって時間がないんだ。その時間をつかって宣伝したら、その分、作品つくりに費やす時間が減るだろ」
といいたくなるのもわかります。
とはいえ、いくら出版社だけに「届ける努力」を負わせたところで、作品が届くようになるわけではありません。
それよりも、「もう届けるまでが作品づくりなんだな! わかったよ!」というように、考え方を変えるほうが、次にやるべきことも考えられますし、クリエイターとして活躍できるチャンスも増すでしょう。
また、そうやって考え方を変えて、作品をつくって終わりにするのではなく、それを届けることまで考えるクリエイターだけが、これから先の未来、活躍できるんだと思います。
なんだか出版業界の現状やネガティブポイントを少しあげてしまいましたが、ぼくがいいたいことは一つ。
「作品つくりは、完成したら終わりではなく、届けるまでが作品づくりです」
ということ。
考え方をこのように変えるだけで、SNSの使い方も、1日の時間の使い方も、良い方に変化するはず。
参考にしてみてください。
最後にお知らせ
最後にお知らせです。
昨年、「アイドルグループをたちあげる」という話をしました。
くわしくは下の記事を読んでいただきたいのですが、みなさん新人クリエイターが仕事をする第一歩目となる場にします。
今日のブログを読んでモチベーションが上がって、「よし! やってやるぞ!」なんて気になっている人がいたら、ぜひ!
最後までお読みいただき、ありがとうございました!
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