今回は、「作者しか分からないこだわりに意味はあるの?」というテーマです。
結論を書くと「神は細部に宿るから、クリエイターは細部にこだわろう」というもの。
ギリギリまで細かい数字にこだわった著者の話
さて。
昨年、編集協力をした本の重版が決まりました。
これで5万部を突破! 本の売れない時代にこの数字は素晴らしい! 自画自賛ですが。(笑)
その本の内容は「株式投資」に関するもので、ぼくは編集協力というポジションで、著者と原稿に関して何度もやり取りをしたわけです。
いわゆるゴーストライター本とは違い、原稿の9割くらいを著者が最初に書きました。
ぼくがその原稿を読みながら、「ここはどういうことですか?」「もっとここにこういうことを書き加えませんか?」などと質問や提案をして、それに対する返答をもらい、原稿をブラッシュアップしていったんです。
そうやって原稿のクオリティを少しずつ高めていくためのやりとりをしていくなか、著者は毎回、いくつかの表に記載されている数字を直していました。
それは、可能な限り最新の数字を原稿に反映させるための作業で、たとえば0.53を0.55に変えるような、非常に細かい数字の修正です。
ハッキリいってしまうと、0.53でも0.55でも著者の主張は揺るがないし、どちらでも問題はなく、そこにほぼ差はありません。
にもかかわらず、著者は校了ギリギリまで何度も数字を修正し、最新の数値にこだわり続けたんです!
そんな著者の姿を見てぼくは、
「この本……、かなり売れるんじゃないだろうか!」
と感じました。
なぜなら、これまでの経験上、こういうこだわりを持った著者の本はだいたい売れていたから!
細部にこだわる人は、全体にもこだわる
そのようにして完成した本は、発売直後から売れ行きランキングの上位にランク入りしました。
ぼくの予感が的中したんです!(笑)
しかも、発売からもう11か月もたつのに、いまだにアマゾンで100位台! 売れ続けているんです!
こんなのほぼありえないことだし、かなり驚異的ですし、おそらくまだまだ売れて、重版もかかり続けるはず!
ぼくにも印税がほんの少し入るのでウハウハ!(笑)
ちなみにその本はこちら。クリエイターをめざすみなさんが買う必要はありませんが、こんな本の編集もしているんですよ。
それはともかく、このような結果が生まれたのは、もちろんたくさんの要素が絡んでいるのですが、「著者が細部まで徹底的にこだわったから」というのも大きな原因といえます。
もしかしたら、
「いやいや、著者は細かい数字にこだわっただけでしょ。それがどうしていい結果につながったんだよ?」
と思った人もいるかもしれません。
でも、それは違います。
これだけ細部にこだわる人が、全体にはまったくこだわらないハズがないんです。
「1冊の本」という作品としてのクオリティにも、当然こだわりを持っていて、そこには作品への深い愛だってあります。
つまり、本としてのクオリティも非常に高い!
そんな作品なら著者も出版社の人も、自信と責任をもって、多くの読者に届けたいと考えるでしょう。
そうやって届ける努力も続けているから、未だに売れ続けているというわけです。
作品のクオリティを上げたいなら
「神は細部に宿る」という言葉があります。
創作活動をしているクリエイターなら、何度も聞いたことがあるでしょう。
「素晴らしい作品は、ディティールまで手を抜かずに作りこまれている」といった意味です。
さらにいうと、作品の細かい部分に徹底的にこだわるような人は、全体にもこだわるんです。
反対に、細部にこだわれない人が、全体のクオリティにだけこだわるなんてことはありません。
ですので、クリエイターをめざしている人は、自分の作品の細部にもっともっとこだわりを持ってください。
そうすることで、作品のクオリティもアップするものです!
細部へのこだわりは自己満足?
とはいえなかには、
「細部にこだわれっていっても、見る人や聴く人が分からないようなレベルでこだわるのって、単なる自己満足なんじゃないの?」
と考える人もいるでしょう。
たしかに、細部にこだわろうと思えば、いくらでもこだわって時間を費やせるのが創作活動です。
「そんな些細なこだわりを気づく人なんて、自分以外いないかもしれない」
というのは、そのとおりです。
先ほどの株本の著者がギリギリまでこだわった数字だって、自己満足といわれても否定できません。
それでも、いや、だからこそ、そこにこだわるんです。
そんな姿勢が、作品全体に大きな影響を及ぼす!
繰り返しますが、そうやって細部まで神経を張り巡らせることが、結局は全体に大きな影響を与え、プラスに働くんです。
クリエイターをめざしているなら、細部へのこだわりを捨ててはいけません。
「神は細部に宿る」というのは、その心構えも含めて、決して間違いではないのです。
最後にお知らせ
ということで今回は、「神は細部に宿る。クリエイターは細部にこだわろう」という話でした。
最後にお知らせです。
昨年、「アイドルグループをたちあげる」という話をしました。
くわしくは下の記事を読んでいただきたいのですが、みなさん新人クリエイターが仕事をする第一歩目となる場にします。
もし興味があるという方がいましたら、まずはてて160のライン公式アカウントをご登録いただければと思います。
今日のブログを読んでモチベーションが上がって、「よし! やってやるぞ!」なんて気になっている人がいたら、ぜひ!
「役に立った!」と思った方は、一言感想を入れつつこの記事のURLをツイートしていただければ、発見し次第、リツイートさせていただきます!