今回は、「あの『イカゲーム』も、最初は9割の人から反対されまくった」という話です。
全員が賛成する企画は当たらない
今、読んでいる『エンタの巨匠』という本がムチャクチャおもしろいんですが、この中にこんなことが書かれていたので、引用します。
『イカゲーム』だって、いろんな局にはねられまくって、最後にネットフリックスが拾った企画です。100人のうち1人でもいい、強烈にこれは面白いという人間がいてくれれば企画は成り立つんです。逆に会議室で全員が賛成するような企画で当たったものなんて1つも見たことがないですよ。
これは『電波少年』の元・日テレプロデューサー土屋敏男氏の言葉ですが、あの『イカゲーム』が、なかなか企画が通らなかったなんて、ちょっと信じられない。
ただ、ぼく自身の出版社時代の企画会議をよくよく思い返してみると、結構そんなことがありました。
売れている本の二番煎じ、三番煎じの企画や、ファンをたくさん抱えている人気著者の企画は、割とあっさりと企画にGOが出るもの。
会議に参加している人たちにとって、すぐにどんな内容なのかイメージがつくし、ある程度の売り上げも期待できるからです。
たとえば以前、あるネット業界の有名人3人の鼎談本を企画した際は、会議は即決でGOがでました。
どう考えても、初版2万部はいける、と。
一方、その本が処女作となる新人クリエイターや、類書に売れている本がない企画になると、「中身がよくわからないから、厳しいかな」と言われやすい。
過去に似たものがないから、中身がイメージしづらいんですよね。
それゆえ、売れるかよくわからないから、ひとまずNGにされてしまう。

独創的な作品の宿命
ただ、おもしろいことに、企画があっさり通過した本は多くの場合、想定を超えない程度の売れゆきとなりがち。
先ほど例に出した有名人の鼎談本は、そこそこは売れたものの、初版2万部で重版はかからなかった記憶が。
けれども、類書がない企画や、出版経験のない新人クリエイターの本は、もちろん、鳴かず飛ばずのこともありますが、まれに大化けすることも!
結局、ほとんどの人が賛成したり、すぐにその中身が理解できたりするということは、逆にいえば、過去に似たものがあり、二番煎じになっている可能性が高いということ。
中身をイメージしやすい分、イメージ通りにしかならないんです。
一方、オリジナリティ溢れる作品や、個性的で独創的な作品は、その良さや、込めた意図が、最初は伝わらない。
それゆえ、周囲の理解をなかなか得られない。
それはオリジナリティや個性、独創の「宿命」といっていいのかもしれませんね。
たとえば、アップルのアイフォン。
今でこそ当たり前の製品ですし、すぐにイメージがわきますが、企画当初は「携帯音楽プレイヤーと電話を1つにする? ボタンはなくてタッチパネル? どういうこと? どうやって使うの? だれがほしがるの? 意味がわからん」となったはず。
スティーブ・ジョブズ以外に、その使い方や良さを理解できた人は、きわめて少数だったことでしょう。
でも、実際に発売した結果はどうだったかというと……?
最初はたった1人の熱狂から始まる
これはクリエイターにとっての創作活動も似ています。
「こんなストーリーの小説にするんだよ」
「こんな動画をつくりたい」
「新作のキャラクターは、こんな感じ」
などとだれかに説明やプレゼンをして、一発で「あ、なるほど! おもしろそう!」と言われたら、それは二番煎じになっている可能性を考えたほうがいいかもしれません。なので、ちょっと気を付けてみてくださいね。
とはいえ、このようにいうと、
「でも、自分は良いと思っても、みんなが良いって言わない作品は、だんだん自信がなくなっちゃっう…」
と思った人もいるかもしれません。
そんな人は、冒頭の引用箇所をもう一度読んでみてください。
「100人のうち1人でもいい、強烈にこれは面白いという人間がいてくれれば企画は成り立つんです」
つまり、まずあなた自身が自分の作品に熱狂していたら、だれも理解してくれなくたって、それで最初はいいんです。
あなたの熱が、一人、また一人と徐々に伝わって、大きなうねりとなり、広がっていくから!
ということで今回は、「あの『イカゲーム』も、最初は9割の人から反対されまくった」という話でした。
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【just do it!】
自分の作品は、全員にすぐに理解されてしまっていない?
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