以前、編集を担当していた小説家とお酒を飲みながら、こんなやりとりをしました。
てて160「政治家って世襲制があるから2世、3世がいますよね。小説家とかクリエイターだと、どうだと思います?」
小説家「まあ、少ないけど、いなくはないよね。有名なところだと、吉本隆明さんとばななさんとか、阿川弘之さんと佐和子さんとか」
てて160「白石一郎さんと一文さんもでしたね。そう考えると、血は争えないんですかね」
小説家「才能が受け継がれるのかは分からないけど、家族にプロがいるのは、創作するうえですごく大切だね」
てて160「どうしてですか?」
小説家「プロが身近にいることで、プロとか一流の考え方や感覚とか、クオリティに対する責任感みたいなのがわかるから。それって、プロがいないとなかなか伝わらないものよ」
てて160「なるほど! そう考えると、親が小説家なんて、小説家になるうえで最高の環境ですね」
小説家「親とか家族でなくても、プロが創作している現場を見れるかどうかは大きいと思うな」
ということで今回は、「プロの現場を知ることの大切さ」についてです。
自分の努力量は、比較しないとわからない
プロの製作現場や、編集者とクリエイターとのやり取りなどのような生々しい場面を見る機会があると、大きな刺激を受けて、その後、クリエイターとして一歩も二歩も成長したり、モチベーションが上がったり、作品のクオリティが上がったりします。
なぜでしょうか?
そこには3つの理由があるんです。
1つめの理由は、「自分の甘さがわかるから」です。
自分で自分を追いこんで、努力して創作をしているつもりでも、比べられる対象がなかったり、その対象が全然たいしたことのないものだと、実際はそれほど努力していない可能性があるわけです。
つまり、プロを目指すわりには、まだ努力が甘いということ。
今の自分がレベル10で、プロになるにはレベル50にならないといけないのに、プロのレベルがわからなかったり、レベル8の人と比べて「よし、俺はよくやってる!」と思っているようでは、プロには近づけていません。
プロがどれくらいクオリティにこだわっているか、知識を貪欲に仕入れているか、というのは、プロの現場に触れて、肌で感じるのが一番なんです。

プロのことは、やっぱりプロにしかわからない
2つめの理由は、「今、何をすべきかが具体的になるから」ということ。
プロのクリエイターがどんなふうに創作活動と向き合っているのか、どんな想いを抱いて作品をつくっているのかなどは、ぼくらが普通に生活をしていると、なかなかわからないもの。
ぼくも、編集者をしていなければ、クリエイターと個々にやり取りをすることなんて、まずなかったでしょうし、彼らがどんなふうに仕事に向き合っているのかなんて、まったく想像できなかったはず。
そんな状態では、「プロになりたい!」「創作を仕事にしたい!」と思っていても、どんなことを目指して、今は何をすればいいのか、具体的にはあまりイメージしづらいでしょう。
けれど、プロの現場を見たり体感したりすることで、イメージする「プロのクリエイター像」がハッキリとしてきます。
その結果、自分はどこを目指すのか、そのためには今、何をすべきなのかも、具体的に見えてくるんです。
プロに感化され、影響を受けやすい状態をつくる
3つめの理由は、「いい影響を受けるから」ということ。
人は、良くも悪くも周囲の影響を受けるものです。
たとえば、頭のいい高校に入って周りが常に勉強をしていると、自分も勉強をしなければ、と思うようになり、その結果、頭のいい大学に入れた、なんて話はよく聞きますよね。
その逆のパターンで、周りがヤンキーばっかりだったから、どんどん悪いことに手を出すようになってしまった、なんて話もやっぱりあります。
それくらいぼくらは、周囲から影響を受けやすいということ。
では、プロのクリエイターや、それに準ずる人が多い環境に、クリエイター志望者が身を投じたら?
そうでない人と比べて、はるかにプロに近づけると思いませんか?
プロの現場を見る1つの方法
この3つのポイントからもわかるように、プロの環境を知ることや、なるべく身近にプロがいる環境に入ることは、プロのクリエイターをめざすうえで、非常に意味のあることなんです。
と、ここまで読んだ方はきっと、
「それは分かったけど、どうすれば身近にプロがいる環境になれるの? そこも重要でしょ」
と考えたはず。
そんな方のためにつくったのが、「見習いアイドルプロデューサー活動日誌」なんです。
アイドルグループをたちあげ、年内にお披露目ライブをするまでの悪戦苦闘を公開しております。
今後、さまざまなプロのクリエイターと編集者のぼくとのやり取りなどもお届けすることに。
それは紛れもないプロの創作現場です。
今回の記事を読み、そんなプロの現場に触れたいという方は、下記リンク先をぜひ!
プロの現場を見る1つの方法として、「ああ、これもありだな」と思っていただければうれしいです!
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