先日、こんなツイートをしました。
小説家になれた人と、夢半ばで挫折してしまった人の違いとは? それは、書き続けられたか、途中で書くのをやめてしまったか。最終的にはこれしかない。
なので、小説家を目指すなら、とにかく「書き続けること」が大切です! #小説のプロセスエコノミー— てて160/小説家のタマゴ専門の編集者 (@produced_by_ti) September 23, 2021
小説家になれた人と、夢半ばで挫折してしまった人の違いとは? それは、書き続けられたか、途中で書くのをやめてしまったか。最終的にはこれしかない。なので、小説家を目指すなら、とにかく「書き続けること」が大切です!
「書き続けることが大切だ」というのは、ほとんどの人が肯定できるはず。
でも、
「わかっていてもなかなか続かないから、困っているんだよ」
と考えている人も多いのではないでしょうか。
「三日坊主」なんて言葉もあるくらいですから。
ということで、今回は、「どうやったら続けられるのか」についてです。
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先に結論を書いちゃうと、続けるためには「小さな成長に目を向ける」ことが大切です。
「作家になって100万部売ってやる」
というような大きく壮大な目標を掲げて、それに向かって努力をするのは、素晴らしいこと。
でも一方で、目標が大きいがゆえに、それを達成するまでには長い長い時間がかかってしまいます。
それに、大きな目標だと、本当に自分がその目標に近づけているのか、いま歩いている道は合っているのか、自分ではなかなかわかりません。
それなのにモチベーション高く、毎日目標へ向けて歩み続けられるほど、私たちの意思の力というのは強くありません。
当然、やる気だってそう。一時は情熱がメラメラと燃えたぎっても、やっぱりそれもそんなに続かないはず。
そもそも、世間では、以下のような順番で考えられています。
●やる気がわく→行動をおこす→結果が出る
ですが、脳科学の本を読んだり、ビジネスで結果を出している人に取材をして話を聞くと、どうもこの順番は間違っているみたいです。
では実際はどうなのか?
まず最初の段階から違います。
「やる気」なんていうものは、いくら待ってもなかなか湧いてこないし、自分の力で「よし、やる気を出すぞ!」と思ったところで、湧いてきたりするものでもありません。
まして、大きな目標を達成するためには、やる気という自分の意思ではどうにもならない、非常にあやふやなものに頼っていてはダメなんです。
もちろん、「小説を書くのが三度の飯より大好きだ!」「絶対に、何があろうとも小説家になりたい! なれないなら自分は生きてられないんだ!」という人であれば、話は別です。
そういう人たちは、誰がなにを言わなくても、ただただ自分の意思だけで書き続けることができるでしょう。
けれど、そんな人は極めて少数です。私も含めて、モチベーションが常に高くて、24時間やる気に満ち溢れているなんて熱い人ばかりではないはず。
たとえば、小説を書くのが好きで、ゆくゆくは小説家になりたいと思っていたとしても、
「テレビも見たい」
「ネットフリックスが好きすぎる」
「ゲームが止まらない」
なんていうことも、いくらだってあるはず。
べつにそれでいいんです。
私自身も、小説予備校メルマガから映画化原作を出したいとか、いろんな目標はありますが、24時間ずっとやる気があるわけではありません。
テレビで「鬼滅の刃」を見ちゃったりしています。
結局、私も含めて多くの人は、何かを続けるためにやる気がわくのを待っていては、いつまでたっても目標を達成できないということです。
やる気がわかなくたって、行動するしかないんです。
そうでないと、目標は達成できない。
もしも小説家になりたいなら、やる気の有無に関係なく、書き続けるしかありません。
書き続けるという行動を積み重ねていくと、徐々に成長していき、だんだんとできることが増えていきます。
そうなったら自然とわいてくるものがやる気です。それが人間なのです。
つまり、
●やる気がわく→行動をおこす→結果が出る
ではなく、
●行動をおこす→結果が出る→やる気がわく
なのです。
それを何度も何度も繰り返していくと、気づけば大きな結果が出ていたり、目標が達成できていたりするというわけです。
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こう書くと、
「最初に行動を起こすことができても、結果が出るまでが難しいし、それで続かないんだよ」
と思った人もいるはず。
いってみれば、「行動を起こす」と「結果が出る」の間で力尽きる、ということですね。
では、どうすれば結果が出るまで続けることができるのか。
その答えこそが、「小さな成長に目を向ける」ということなのです。
成長とは変化のこと。
脳科学的に、人間というのは変化のない同じような毎日を、なかなか続けることができません。
でも、日々、成長という変化があると、続けることができます。
だから、ほんの小さなことでかまわないので、自分の成長した部分を探して発見し、それを毎日書き記して、記録に残すのです。
日記帳でも、スマホのメモでも、なんでもかまいません。
とにかく成長を記録するんです。
なぜ記録に残すのか。
「昨日に比べて、●●ができたな」と考えるだけではだめなのか。
実は、成長が積み重なっていることが「目に見えて確認できること」も大切なのです。
仮に1年間毎日成長の記録をつけたとしたら、1年前と比べて365も成長していることがあるということ。それだけ変化・成長しているって、すごくないですか?
人間である以上、たまにまったくやりたくない日も来てしまいます。
プライベートや仕事で失敗があったり、全然うまく書けなかったりして、「もうだめだ、あきらめよう」と思ってしまう日も来るでしょう。
そんなときに過去の積み重ねの記録を見てください。
「こんなに自分はやってこれたのか」
「自覚はないけど、ちゃんと成長していたんだ」
と実感できます。
その実感こそが、やる気、活力へと変わるのです。
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最後に一つ、面白い数字を。
人間が毎日1%ずつ成長したとしたら、1年でどれくらい成長しているでしょうか?
365%、つまり3倍以上になっている?
いいえ、違うんです。
人間の成長というのは、単利ではなく複利で考えるものです。
複利とは、元本だけでなく、元本についた利息も含めて利息がつくということ。
たとえば、1万円に毎日1%の利息がつくとしましょう。
初日は10100円、2日目は10100円に1%がつくので10201円、翌日は10201円に利息がついて10303円……と増えていくのです。
その結果、1年で10000円がなんと「376,149円」になります。
毎日、たった1%の成長を積み重ねることで、1年間で37倍以上に成長していますね。
日々は小さな成長であっても、それが積み重なれば、とてつもない成長につながるのです。
逆に言うと、成長していない人とは、えげつない差が生まれてしまうともいえます。
両者の差は、毎日たった1%成長したかどうかだけ。
人間の成長は、お金と違ってなかなか目に見えにくいものですよね。
でも、数字に表さなくたって、昨日と比べてできるようになったことなんて、絶対に見つけられます。
あとはその変化を文字にして記録すること。
それだけで、書き続けること、成長し続けることができるのです。
ということで、今回は「どうやったら続けられるのか」について書きました。
参考にしてみてください。
おたがいがんばりましょう!
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今回の記事は、【小説予備校】メールマガジン2021年9月27日配信号から抜粋したものです。
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