プロットを作るときは、●●を最初に決めよう

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今回は、「プロットを作るときは、●●を最初に決めよう」という内容の話です。

 

たとえば、旅行の計画を立てるとき、多くの場合、家に帰る日時が最初に決まっていますよね。

 

「土曜の朝に出て青森に行き、日曜の16時23分新青森発の東北新幹線に乗って、19時に家につく」というように。

 

これが決まっていないで、いつどこに帰ってもいいという状態だと、行きたい場所にいくらでも行くことができます。

 

一見、いい気もしますが、逆にいえば、いつになっても家に帰れないともいえます。

 

つまり、家に帰る日時というゴールが決まっていないと、旅行は終わらず、いつまででも続いてしまうのです。

 

小説にも同じことがいえます。

 

旅行でいうところの「家に帰る日時」、小説でいうラストシーンが決まっていないと、いろんな出来事を盛り込むだけ盛り込んで、いつになっても終わらないストーリーになってしまうんです。

 

バルセロナにサクラダファミリアという、100年以上建設し続けていて、今もまだ未完という世界文化遺産になっている教会がありますが、まさに小説版サグラダファミリアになってしまうんです。

 

では、そうならないためには、どうするか。

 

ラストシーンを最初に決めるんです。

 

ストーリーのラストを最初に決めるメリットが3つありますので、それをご紹介します。

 

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まず1つめは、「完成させることができる」です。

 

ストーリーを最初から順番に考えていくと、広がるだけ広がって、どんどん予想のつかない方向に展開して、いつまでも終えられない場合が結構多くあります。

 

「私、どんなことを書きたいんだっけ……?」となってしまうんです。

 

しかも、そうなった人はなんとかして無理やり終わらせたりもしますが、そんな無理やりでっち上げたラストがおもしろいはずありません。

 

でも、ストーリーのラスト、つまりゴールが決まっていると、そうならずに完成させることができます。

 

これが1つめのメリットです。

 

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つづいて2つめのメリットは、「ストーリーの展開が考えやすい」というもの。

 

ラストが決まると、

 

「あのラストにもっていくには、その前に主人公とあいつを仲直りさせないならない。となると、その前に大喧嘩をさせないとダメだな。大喧嘩のきっかけをもっと前に作ろう」

 

という具合に、終わりから順番にストーリーを決めやすくなるのです。

 

これが2つめのメリットです。

 

 

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そして最後の3つめのメリットは、「最初と最後のシーンを呼応関係にして、おもしろい冒頭も作りやすい」です。

 

これはいってみれば、最初をフリにして、最後にオチをつけられたり、最初を伏線にして、最後を回収にできる、ということ。

 

たとえば、伊坂幸太郎さんの『重力ピエロ』という小説があります。

 

まだ読んでいない人には全力でオススメしたい、最高の小説なんですが、この小説の書き出しの一文目は「春が二階から落ちてきた」

 

そして、ラストの一文はというと、「春が二階から落ちてきた」なんです。

 

伊坂さんはこの小説に関しては、ラストシーンから考えたんじゃないかと僕は思っていますが、これがメリットの3つめとなります。

 

 

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以前、小説のアイデアは浮かぶんだけど、それをどうやって収束させてラストにもっていけばいいのか、悩んでいる小説家のタマゴがいました。

 

私は、「プロットを先に書いてみたら?」と伝えたんですが、それでもなかなかうまくいかず、プロットを完成させることができませんでした。

 

そこで私は、「最後のシーンから考えて、もう一度プロットを作ってみて」といったところ、まず、感動的なラストが決まりました。

 

それから、その感動的なラストに展開していくには、その前にはどんな場面が必要か、を考えてもらい、そうやって一つ一つ丁寧に場面を作って、プロットに落とし込んでいったんです。

 

そうやって作っていった結果、きちんと最初から最後までストーリーが展開されたプロットが完成しました。

 

の人は、「プロットをしっかり完成させられたのは初めてだ」といっていました。

 

これも、最後の場面から考えてプロットを作ったから、完成させられたというわけです。

 

もしそれをしていなかったら、もしかしたら今もまだ小説を完成させられず、その人はもう筆を折ってしまっているかもしれません。

 

ということで今回は、プロットを作るときは、最後の場面を最初に決めよう、という話でした。

 

ちなみに、今回の記事も、最後の「今回は、プロットを作るときは、最後の場面を最初に決めよう」という一文をまず決めてから、記事を書いています。

 

呼応関係にするために、最初と最後を同じ文章にして、最初の文は答えとなる「最後の場面」を●●にしています。

 

わかりやすくなってないでしょうか?

 

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