体験していないことは、小説に書いてはいけない?

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今回は、「五感を総動員して書くと、小説にリアリティもでて、より立体的になるよ」ということについてのお話です。

 

少し前に、「体験していないことは小説に書いてはいけない」みたいなテーマの論争がツイッターでありました。覚えている人もいるかもしれません。

 

この論争は周期的に起こります。

 

「体験しか書いちゃだめなら、SF小説は書けないし、人が死ぬミステリー小説も書けない」など言われていますが、せっかくなので私の考えを書きたいと思います。

 

その前に、私は体験することを書くことがいいとも悪いとも思っていませんし、そんなことをいう気もないので、そこは誤解しないでください。

 

結論をいうと、「体験していないことを書くのなら、視覚に頼りすぎないようにしましょう」です。

 

体験していないことを小説に書くということは、頭のなかのイメージ、つまり想像をもとに書いているわけです。

 

想像だと、多くの人の場合、頭の中で見えたものしか書かないので、視覚的な描写ばっかりになってしまう可能性があります。

 

ではそうならないためにどうするのか。視覚的な描写ばかりにならないためには、どうすればいいのかというと……。

 

五感を総動員して書くんです。

 

視覚だけでなく、嗅覚、聴覚、触覚、味覚も取り入れることを意識して、書くんです。

 

「体験しないとダメだ」という人たちは、視覚だけで書かれてしまっていて、全身で感じて書かれていない小説をダメだといっているんだと、私は思っています。

 

その意見には私も賛成で、たしかに、体験したことに比べて、想像で書いたものは、そうなってしまいがちなことは否定できません。

 

 

だから、そうならないためには、視覚以外を意識して感じて、それを書くことが大切になってくるわけです。

 

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たとえば、「蒙古タンメン」という辛さをウリにしているラーメン屋さんがあります。

 

その店に行ったことを、視覚だけに頼って書くと、「マグマのように真っ赤なラーメンが出てきた」みたいな描写になりがちです。

 

一方、視覚以外の感覚も取り入れて書く、「においをかぐだけで鼻の奥がしびれて、涙がでてきた」「スープをひとすすりすると、唇が熱くなった」みたいに、よりリアリティをもって書くことができるようになります。

 

みなさんも、視覚以外を総動員して想像することで、これまでよりも立体的な描写が書けるようになるから、試していただければと思います

 

ということで今回は、「視覚にたよりすぎず、五感を総動員して書くと、アナタの小説のリアリティが増しますよ」ということについてお伝えしました。

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