時間がない人のために、今回の話を一言でまとめると、
「あなたの小説を楽しんでくれる読者を想像できない人は、過去の自分を楽しませる小説を書くと、メリットが3つあるよ!」
です。
「読者の顔を想像しづらい」という悩みを抱えている人、きっといると思います。
そんな人こそ、たとえば、
「8年前のあの日、告白したけどフラれて落ち込んでいた私が、こんな小説を読んだらきっと救われていただろうな」
というような小説を、「あの日の自分」のために書くということ。
このように、「あの日の自分」を読者に想定して小説を書くことのメリットを3つ、お伝えいたします。
「あの日の自分」に小説を書くことのメリットとは?
まず1つめは、「筆が止まりづらい」。
小説を書いている人にとって、少なくない悩みが、「ストーリーが出てこなくて、筆が止まってしまう」というもの。
これでリタイアしてしまう人を私はたくさん見てきました。
でも、「あの日の自分」という非常に具体的な読者に向けたストーリーを考えてみると、不思議なことに「続きの展開が浮かんでこない……」ということになりづらい。
仮に筆が止まっても、「あの日の自分」に相談すればいいんです。
すると、
「あの日の私なら、こういう展開になってくれると喜ぶだろうなあ」
と、すぐにアイデアが浮かんできます。
たまに大手企業が、未発売の新商品をモニターとして使ってくれる人を集めて、試しに使ってもらい、新商品の感想をアンケートを取っています。
「あの日の自分」を読者にすると、これが簡単にできるというわけで、とても小説が書きやすいといえますね。
つづいて、2つめは、「読者の顔が浮かぶ」です。
私は常々、書こうとしている小説の読者を一人だけ想定して、その読者に向けて書くのがいいとお伝えしています。
たとえば、
「大好きな彼女にフラれて落ち込んでいる大学生のA男君」とか、
「友達もいるけど、なんだかふと孤独で寂しくなる女子高校生のBさん」とか、
「子育てがひと段落して、また何か始めたいけど、自分には何もないと思ってむなしくなっている専業主婦のCさん」とか。
ただ、このように書いても、その読者のことを細かく想像するのは難しいものですよね。
「他人の気持ちなんて、そんな簡単に想像できないよ」
という人も多いでしょう。
そのような人でも、「あの日の自分」ならどうですか?
簡単に想像できるはず。しかも、リアルに。
なぜなら、あの日を「思い出す」だけだから。
ゼロから想像するよりも、ずっとやりやすいでしょう。
最後の3つめは、「多くの人に届きやすい」です。
「過去の自分というたった1人のための小説なのに、大勢に届くの?」
なんて思ったかもしれませんね。
でも、これは反対です。
たった1人を喜ばせたからこそ、多くの人が喜んでくれるんです。
これは難しくいうと「センターピン理論」と呼ばれるもので、ボーリングの1列目のピンを倒さないことには、2列目以降のピンは倒れず、大勢には届かないという理論です。
これと同じで、目の前の1人を喜ばせることができない小説が、大勢を楽しませることなんてできません。
でも、過去の自分を楽しませられる小説なら、少なくても1人は確実に喜んでくれる。
そして、1人が喜ぶということは、大勢に届く可能性を秘めている、といっても過言ではありません。
今回の記事をまとめると、
・「あの日の自分」を読者に想定して小説を書くと、3つのメリットがある
・1つめ 過去の自分に相談できるから、筆が止まりづらい
・2つめ 普段は想像しづらい読者の顔がすぐ浮かぶ
・3つめ 1人は絶対に喜ぶから、そこから多くの人に届く
となります。
ぜひ参考にしてみてください。
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