(今回の記事を音声で聴きたい方は上記のリンクをどうぞ)
今回は、「文学賞の一次を通る人、落ちる人」というテーマで解説いたします。
私は2つの出版社で合計3回、文学賞の審査員をやった経験があります。
3度とも、かなりの量の作品に目を通したのですが、落ちる作品やそういった作品を書く人には共通した部分があり、そのことについて前回、「文学賞1次で落ちてしまう人がやりがちな5つのこと」という記事を書きました。
今回はその発展編として、「文学賞一次を通過する人と落ちる人との差」について、3つのポイントにしぼって書こうと思います。
自分がいったいどっちなのかをチェックしてみてください。
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さて、まず1つめのポイントは、「推敲しているかどうか」です。
小説を最後まで書いたら、それを読み直したりしないで、すぐに応募してしまう人が案外多くいます。
また、最初から推敲の時間を確保しないで、締め切りギリギリのスケジュールを組んで書き終える人もいます。
でもハッキリ言いますが、推敲していない作品というのは、完成品ではありません。
プロの小説家だって推敲しています。むしろ最後まで書くこと以上に、推敲に時間と労力を割いているんです。
推敲をすることによって、
1:誤字脱字が減る
2:文字を付け加えたり、削ったりして、読みやすくする
3:情報に間違いがないかを確認できる
4:よりわかりやすい表現に差し替えられる
といったことができ、これは一言でいえば、小説のクオリティが爆上がりするのです。
推敲の大切さについては、以前記事で書いたので、そちらも読んでみてください。
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つづいて、2つめのポイントは、「好きなことを書いているかどうか」です。
「今はこれが流行っている」「この賞はこういう分野の作品が受賞する傾向が強い」などと考えて、自分が好きじゃないことを無理して書いている人、けっこういます。
でもそういう作品を書くのはやめたほうがいいでしょう。
そもそも、書くのが好きだから小説を書こうと思ったはずなのに、あえて好きでもないことを自ら書く必要なんて、少しもないはずです。
それに「好きこそものの上手なれ」ともいいますが、結局のところ、好きで好きでたまらなくてその分野を書いている人には絶対に勝てません。
また、好きなことを書いて落ちてしまっても、まだ納得できますし、その経験は次につなげられます。
でも、好きでないことを書いて落ちると、やる気がなくなりますし、その経験は次に生かせません。
結局、好きなことを書くことが、文学賞受賞につながるというわけです。
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最後の3つめのポイントは、「落ちてもあきらめず、続けているかどうか」です。
もちろん応募一回目からうまくいって、二次、三次と進む人もたしかにいます。
でも、何度もチャレンジして徐々に一次突破、二次突破、と上がっていく人のほうが多いのです。
漫才のM-1グランプリだって、決勝進出者の過去の成績を見ると、初回から準決勝、決勝進出したなんてコンビはほぼいません。
ほとんどが、一次、二次、準々決勝、と何年もかけて徐々にステップアップしているコンビばかりです。いかにあきらめず続けることが大切か、物語っているでしょう。
前回優勝した錦鯉なんて、50代と40代のコンビです。笑いをひたすら続けたからこそ、ようやく日の目を見たんだといえます。
続けるに勝るものはないのです。
ということで今回は、「文学賞一次を通過する人と落ちる人との差」について、「推敲しているかどうか」「好きなことを書いているかどうか」「あきらめず、続けているかどうか」という3つのポイントから解説しました。
今日から早速意識してみてください。
とくに「推敲」と「好きなことを書く」は、すぐに実行にうつせると思います。
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