多くの新人クリエイターがハマりがちな落とし穴
今回は「多くの新人クリエイターがハマりがちな落とし穴」についてです。
残念なことに、この落とし穴にハマっている人は多くいます。
その結果、
「なんか……思っていたのと違う……小説書くの、もうやめよう」
となってしまうんです。
好きで何かを作り始めたのに、こうなってしまっては元も子もありませんよね。
もちろん、その対処法もあります。
ちゃんと対処すれば、
「わたしが本当にやりたかったのは、コレだな!」
という本当に好きなことが見つかります。
そうすれば、もっと楽しく創作活動を続けることもできます。
本が好きだから編集者になる」は間違い
ぼくは新卒から約17年間、いくつかの出版社で書籍編集者をしていました。
35歳くらいからは、ある程度のキャリアを積んだこともあり、出版業界を目指す学生たちのOB訪問を受けるようにしました。
合計で50人以上は会ったと思います。
ぼくのところに来た学生の多くは、編集者を志望していて、
「本は売れなくなっているのに、まだ編集者を目指す人がいるなんて、うれしいことだなー」
なんて思いながら、彼らの相談に乗っていました。
そうやって実際に会って、彼らの志望動機を聞いたり、履歴書を読んだりすると、ほとんどの学生が、
「本が好きだから、本の編集者になりたい」
「●●という雑誌を愛読していて、その雑誌を作りたい」
といった理由で出版業界を志望していました。
たしかに、本が好きだから出版業界に入るというのは、一見すると「好きなことを仕事に」しているように思えます。
きっと本人もそう思っているはず。
でも、もしもこのように考えている学生が出版業界に入れたとしたら、きっと数年で辞めてしまうだろうな、と心配になりました。
「本が好きだから編集者になりたい」
こんな学生たちの何がマズイのでしょうか。
「本をオススメするのが好き」も「本が好き」?
一口に「本が好き」といっても、
- 本を読むのが好き
- 本を作るのが好き
- 文章を書くのが好き
- 物語を創作するのが好き
- 読んでおもしろかった本を誰かに読ませるのが好き
- 本のカバーデザインが好き
- 本が印刷されていく過程が好き
- 本という物体が好き
- 本棚に本を並べてコレクションするのが好き
- 本がたくさん並んでいる場所が好き
などなど、細かくするといろいろと分けられます。
このどれもが「本が好き」だといえるのです。
ここに大きな問題があるんです。
どういうことか、くわしく説明しますね。
もし、本を読むのが好きな人が、出版社に入って本を作る側に回ったとしたら、どうでしょうか。
それは「好きを仕事に」といえるでしょうか?
本を「読む」と「作る」では、やることが全然違うため、
「あれ? 本をたくさん読めると思ったのに……。こんなハズじゃなかった!」
となってしまう可能性が高いといえます。
ほかにも、もし、自分が読んでおもしろいと思った本を誰かにオススメするのが好きで、TIKTOKで本を紹介している人が、週刊文春の記者になってタレントを追いかける仕事についたら?
それも「好きを仕事に」といえるでしょうか?
仕事の内容が全然違いますよね。
「好き」をもっと細分化してみよう
「好きなことを仕事にしたい!」
こう思って、本が好きだからという理由で出版業界に入れたとしたら、きっと最初のうちは、
「やった! 好きなことを仕事にできた~!」
と喜ぶでしょう。
でも、しばらくすると、
「あれ? 思っていたのと全然違う……」
と悩みだして、仕事を辞めてしまうかもしれません。
新卒の30%は3年以内に退職するそうですが、上のようなケースも少なくないでしょう。
案外多くの人が、「わたしは●●が好きだ」と思っていることが、実は少しズレている可能性があるんです。
ズレているかどうかを確かめるためには、「●●が好き」というのをもっと細分化してみればいいんです。
つまり、「好き」をもっと細かく考えることで、「本当に好き」なことが見つかるということ。
突き詰めると個性が見つかる
もしもみなさんが、「小説が好きだから小説家」「マンガが好きだからマンガ家」と思っているなら、それをもっと細かくわけて考えてみてください。
小説のどんな要素が好きなのか?
どんなストーリーの小説が好きなのか? 嫌いなのか?
どんなキャラが出てくる小説を読みたいのか? どんなキャラだと読みたくないのか?
こうやって、あなたの好きなことを突き詰めていけばいくほど、あなただけの個性も見つかると思いますよ。
新人クリエイターのみなさんは、
「好きなことを仕事にできたら最高だろうな」
と考えていると思います。
そんなみなさんだからこそ、その「好きなこと」は、あなたが「本当に好きなこと」なのか、もう一度考えてみるといいかもしれません。
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さて。
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