恥ずかしながら、告白をします。
売れなかった本の担当編集者が特に言いがちな言い訳があります。私自身も、何度も口にしたことがあります。
その言い訳とは、「読んでもらえたら、絶対におもしろいのに……」というもの。
今回は、「もうこんな言い訳を使うのはやめませんか」という話です。
結構自信があって、かなりの手間をかけて出した本なのに、それがびっくりするくらい売れないと、こんなことを言ってしまいます。
よく語られることですが、ネットやスマホが誕生する前の出版業界は、非常に潤っていました。本を書店に並べれば、それだけでガンガン売れていて、「読んでもらえたらおもしろいのに」なんて言う必要もないほど、読んでもらえていたのです。
今では想像もつきませんし、私もそんな時代の話は、年上の同業者に聞かされただけで、実際に体験はしていません。
そんな時代ですから、当然、給料もすごくよかったそうで、「ボーナスをもらった封筒が、その厚みで自立した」なんていうくらい。
でも、ご存じのとおり、今はまったくそんな時代ではありません。
本が売れず、本屋がつぶれたり、出版社が倒産するなんて、珍しいことではなくなりました。
その原因はいろんな要素が絡んでいますが、ネットやスマホの誕生というのも大きいでしょう。
それによって、本以外の楽しいエンタメがたくさん現れて、本を買って読む必要がなくなったわけです。
こうして本が売れなくなったにもかかわらず、いまだに出版業界人の多くは、本を発売しても書店に置く以外にプロモーションはほとんどしない、なんて状態なのです。
それで売れるはずないですよね?
でも、そんなふうに読者に本を届ける努力を怠っておきながら、「読んでもらえたら、絶対におもしろいのに……」といっているのが、現状なのです。
最近になってようやく、この現状が非常にマズイことに気づいて、プロモーションに力を入れる編集者や出版社も徐々に増えてきました。
とはいえ、まだまだ一部の動きでしかありません。
これが、今の出版業界なのです。
▼▼▼▼▼
「読んでもらえたら、おもしろいのに……」は、最高の言い訳です。
これを言っている限りは、本が売れなった責任は自分ではなく、こんなにおもしろい本を読まない読者にあると錯覚できるからです。
でも、この言い訳を使っている限りは、いつまでたっても本は売れないまま。
いや、さらにスピードを上げて、どんどん売れなくなっていくでしょう。
私たち出版業界の人間は、もっと「本を読んでもらうための努力」をしなければならないのです。
努力をしないで、再び本が売れるなんて時代は、絶対にやってきません。
「それくらいわかっているけど、じゃあ何をやればいいんだよ」と思った人もいるはずです。
「コレをやれば成果が出る」という唯一の答えはありません。だから大変なんです。
ツイッターが出てきて、「これは使える!」と出版業界でいわれたときは、出版社も編集者もツイッターをやりました。
今では、使いこなせている会社や編集者もいれば、続けたけれど効果がなかった人もいます。
多くは、「労力のわりに効果は薄い」という結論に達したのではないでしょうか。
ほかにも、ネットでの本文無料公開が話題になったときは、数多くの本が無料で公開されました。
これも、うまくいったものもあれば、効果がなかったものもあります。どちらかというと、ほとんどが効果ナシでしたが。
結局のところ、こうやって試行錯誤をし続けるしかないんです。
これまでずっと、本を出してもプロモーションをやってこなかった出版社にも編集者にも、プロモーションのノウハウなんてありません。
それでいきなりうまくいくはずなんてないんです。
私だって、こんなブログを書いていますが、試しては失敗の連続です。
人気ブログを読むと、「ああ、なんで自分のブログは全然読まれないんだろう」と泣きたくなります。
これもすべて、今までやってこなかったツケですし、いきなりうまくいくほど世の中は甘くないんですよね。
どうすればいいかといえば、諦めないで続けるのみ。
3歩進んで2歩下がるというか、3歩進んで4歩下がっているような毎日で大変なんですが、見方を変えると、やりがいがあるとも思えてきます。
いや、そう思わないとやってられないというのが95%です。
それでも、「読んでもらえたら、おもしろいのに……」という言い訳をこれ以上言いたくないんです。
そのためには、現状を変えるために試行錯誤するしかないんです。
▼▼▼▼▼
もしも、「読んでもらえたら、おもしろいのに……」という言い訳を言いたくない、という人がいたら、一緒に闘いませんか?
私はいま、メールマガジンを出しながら、そうやって出版業界を変えてくれる人を集めています。
そのメールマガジンを読んでみてください。
一カ月、4号分は無料で読めます。
もしも、一緒に出版業界を変えたい人、どうやって変えるのかを見たい人がいたら、こういう選択肢もありますので、頭の片隅に残していただければと思います。
