どこに読点を入れる?【美しい水車小屋の女の子】

小説の書き方入門

今回は、自分のイメージしたものを正確に読者に伝えるために意識したほうが良いことについての話です。

 

このことは意識しないで文章を書いている人も案外多いので、今回の記事を読んで、意識してほしいなと思います。

 

さて。

 

「美しい水車小屋の女の子」

 

この一文は、読む人によって意味が変わってしまう例として、出版業界でけっこう有名な文です。

 

仮に10人でこの一文を読んでも、全員で同じイメージをすることはできません。
バラバラの絵を頭に描いてしまいます。

 

なぜそうなってしまうのかというと、読点をどこに入れるかによって、いくつもの意味がとれてしまうからです。

 

「美しい水車小屋の女の子」

 

この「美しい」は、どの単語にかかっているでしょうか?

 

水車小屋? 女の子? 女? 子? 

 

その答えによって、イメージしたものが変わってしまうのです。

 

美しい水車小屋があって、そこに「女の子」がいるのをイメージした人は、
「美しい水車小屋の、女の子」
と読点を入れたはず。

 

水車小屋に「女の子」がいて、その子が美しいんだとイメージした人は、
「美しい、水車小屋の女の子」

 

水車小屋に美しい女性がいて、その女性の子どもをイメージした人は、
「美しい、水車小屋の女の、子」

 

美しい水車小屋があって、そこに女性がいて、その女性の子どもをイメージした人は、
「美しい水車小屋の、女の、子」

 

おおよそこのようにイメージが別れてしまったはずです。

 

読点を1つか2つ入れるだけで、同じ文章でもこれだけの読み取り方が生じてしまうということ。

 

それくらい文章というのはあいまいなものなんです。

 

これから文章を用いて読者を楽しませようと考えているみなさんは、このことをぜひ覚えておいてください。

 

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それに加えて、もしも自分の小説内にこのような文章を発見したら、読点を入れる位置だけでなく、「単語の入れ替え」というやり方もあるので、そちらもマスターしてください。

 

この文章でいうと、水車小屋に「美しい」がかかっていない場合は、「美しい」を後ろに移動するのです。

 

「水車小屋の美しい女の子」

 

「水車小屋の女の美しい子」

 

こうするだけでも、かなり意味が取りやすくなったはず。

 

ということで、今回は、自分のイメージしたものを正確に読者に伝えるために意識したほうが良いことについて、お話ししました。

 

もしも、自分の書いた小説を読み返しているときに、「あ、ここは読者が混乱するかもしれないぞ」と思う文章があったら、句点をうつか、単語の順番を入れ替える、というのを考えてみてください。

 

きっと読みやすくなるはずです。

 

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