文章力は使わないとすぐサビる

小説の書き方入門

 

 

「文章を書くことは、話す、聞く、読むことのように半ば自然発生的なものではなく、強制されてようやく身につく能力であり、それも使っていないとすぐに錆つくという厄介な能力なのである」(『自家製 文章読本』井上ひさし 新潮社)

 

こちらは、「ひょっこりひょうたん島」で有名な作家・井上ひさしさんの文章に関する名言です。今回はこの金言をもとに、「みんな案外簡単に書くのが下手になっていくのでご注意を」ということを解説していきます。

 

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早速ですが、井上ひさしさんの言葉には、小説を書く人が覚えておきたいポイントが3つ、書かれていますので、一つ一つご紹介していきます。

 

まず1つめのポイントは、「自然にうまくならない」というもの。

 

私たちは小学生のころからずっと、国語の授業や、宿題で出された日記や読書感想文などで、文章を強制的に書かされてきました。読む機会だけでなく、書く機会がたくさんあったわけです。

 

でも、大人になってからはどうでしょうか? 文章を読む機会はありますが、書く機会はかなり減ったのではないでしょうか。

 

ライターなどのように、仕事で文章を書く必要がある職業の人はともかく、そうでない職業に就いたら、文章を読むことはあっても、書く機会というのは、なかなかなくなっていると思います。

 

仮に日報のようなもので文章を書くとしても、ほとんどフォーマットが決まっていたりして、文章を書くというより、単語を当てはめていく作業のようになっているはず。そう考えると、大人になったからといって文章を書く能力が上がったとは考えられず、むしろ学生時代以下になっていると思ったほうがいいかもしれません。

 

文章は自然にうまくなったりしない。これが文章を書く上での大前提です。

 

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つづいてポイントの2つめは、「練習してうまくなる」というもの。

 

先ほど書いたように、文章は自然にはうまくならない。なら、うまくなるにはどうすればいいかといえば、「練習するのみ」です。

 

私たちは、「文章を書こう」と思わない限り、文章を書かなくてもそれほど不自由なく生活できる人がほとんど。まして、「文章の練習をしよう」なんて、文章を書く必然性がなければ、ほぼ考えませんし、もちろん練習だってしません。

 

きっとこれまでだって、あまり文章を書く練習なんてしていない人が圧倒的多数のはず。それなのに、「よし、小説を書こう!」と思っても、最初からうまく書けているはずがないんです。

 

過去を振り返って、「ああ、もっと文章を書いて練習しておけばよかった……」なんて後悔したところで、意味がありません。今が何歳であろうとも、今日から練習すればいいだけです

 

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ポイントの3つめは、「毎日書かないと、すぐに下手になる」です。

 

とくに仕事をしている人は、「平日は時間が確保できないから、土日にまとめて書こう」と考えがち。でも、それだと効果はありません。毎日書かないとダメなんです。書かない日があると、逆に下手になっていってしまうんです。

 

毎日10分でいいから、とにかく毎日書く時間を確保してください。

 

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ここまで小説を書く人が覚えておきたいポイントを3つ、解説しましたが、文章を書くことは、スポーツやピアノと似ています。どちらも上達に必要なのは、地道な練習なんです。

 

私たちは、ツイッターやネットの記事を大量に読んで毎日文章に触れているので、文章を書く能力が身についているような気がしています。でも、残念ながらそれは大きなカン違い。

 

いくらサッカーを見ていたって強いシュートは蹴れないし、ピアノの譜面を眺めていたって指が自由自在に動くようにはなりません。文章や小説を書くのも同じなんです。読むだけでは書くスキルは上達しません。

 

なので、うまい文章、おもしろい小説を書きたい人がまずやることは、毎日書くこと。毎日練習すること。これに尽きます。地道にコツコツと続けるのが大切なのです。いま盛り上がっている北京オリンピックでも、選手たちはみんな、毎日コツコツ練習し続けた結果、圧倒的な結果を残しているんです。

 

がんばって毎日練習を続けましょう!

 

今回は、「みんな案外簡単に書くのが下手になっていくので、注意をしましょう」ということについてでした。

 

文章力は自然には身につかないし、すぐにサビる - もしも本の編集者がアイドルグループをつくったら | stand.fm
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